喫茶・食事処「喫茶チェリー」

地元民が集う、地域の縁側。喫茶・食事処「喫茶チェリー」が後継者を募集

山あいの道の駅に、21年灯り続けた喫茶店

岐阜県郡上市は、夏の「郡上おどり」で全国にその名を知られる踊りの町です。八幡町の郡上おどり、白鳥町の白鳥おどり、そして北部に広がるひるがの高原のスキー場群。春夏秋冬を問わず観光客が足を運ぶこの地域の、白鳥町を抜けた県道沿いに「道の駅白尾ふれあいパーク」があります。

東海北陸自動車道の白鳥ICから車でおよそ10分。観光地へ向かう途中にありながら、地域の暮らしにも寄り添うこの道の駅は、1999年に地域活性化施設「青空市場」として産声を上げ、2006年に道の駅として正式に登録されました。その一角で、オーナーの野島早苗さんが営業を続けてきたのが、道の駅の開業より一足早い2005年に開いた喫茶・食事処「喫茶チェリー」です。

カウンター5席、テーブル6卓・24席の計29席。決して大きな店ではありませんが、地元の人々にとってはなくてはならない「場」として、21年間その扉を開け続けてきました。

オーナーの野島早苗さん
店舗外観
店内には民芸品の数々が飾られている
木を基調とした店内

コーヒーと生きてきた、40年

野島さんが喫茶店の世界に入ったのは、今からおよそ40年前のことです。以来ずっと、コーヒーの香りとともに生きてきました。喫茶チェリーを開いたのは2005年からですが、それ以前にも別の店で腕を磨き、経験を積んできた経歴があります。

「愛情をもってお客様と一緒に切り盛りしてきた」という言葉の通り、店のあちこちに手がかかっています。厨房は21年の年月を感じさせないほど手入れが行き届いており、民芸品が飾られた店内はどこか懐かしく、訪れる人をほっとさせます。

そんな野島さんですが、今年3月末をもって店を閉めることを決めました。

「年齢には勝てない」と笑って語るものの、その言葉には決断の重さがにじみ出ています。店を21年間支えてくれたお客様への感謝から、自分の代で暖簾を下ろすのではなく、引き継いでくれる方を探すことにしました。

モーニングが映す「地域の縁側」

喫茶チェリーの客層は、観光客よりも地元の住民が中心です。朝の500円モーニングには、毎日のように顔を見せる常連客が集まります。

レジの近くには、常連さんたちが使うコーヒーチケットが並び、名前を書いたチケットが束になって置かれているその光景は、この店がただの飲食店ではなく、地域の人々の「縁側」のような存在であることを静かに物語っています。

メニューには、郡上市の名物「ケイちゃん」定食やサンドイッチなどが並びます。派手さはありません。けれども毎日来たくなる、そういう親しみやすさがあります。

特に高齢の常連客にとって、喫茶チェリーは朝の時間を過ごす大切な場所です。誰かに会い、言葉を交わし、コーヒーを飲む。そういうシンプルな豊かさを、この店は長年提供し続けてきました。地域に根付いた喫茶店とは何かを体現しているような場所なのです。

常連さんたちのコーヒーチケット
郡上市名物ケイちゃん定食
厨房設備

21年積み重ねてきたものを託したい

年間の売上高は500万円~600万円で推移しています。オーナーと、繁忙時間を手伝うスタッフの人件費を考えると、現状のままでは収益に余裕があるとはいえません。売上を拡大していく取り組みが必要です。

ただ、伸びしろは十分にあります。

現在の客層は地元住民が中心ですが、東海北陸道のインターチェンジから10分という立地と、ひるがの高原・明野高原方面への観光ルート上という条件を考えれば、県道沿いへの看板設置などで視認性を高めるだけでも、観光客の取り込みが期待できます。まだ手が届いていない客層が、すぐそこにいるはずです。

厨房と厨房機器は長年の丁寧な手入れが行き届いており、開業から21年とは思えないコンディションです。

ただし、冷蔵庫・食洗器・製氷機についてはリース契約が継続中で、事業の引継ぎにあたっては契約の引き継ぎが必要になります。

賃貸形態は、道の駅の指定管理者である「㈱しろとり」と契約する売上歩合方式。月額売上高50万円までは売上高の5%、50万円を超える分については10%の賃料となり、営業権と什器・備品はすべて無償で譲渡されます。

毎朝ここへ来る人がいる。その日常を残していきたい

野島さんは、「事業を引き継いだあとも、働かせてもらえるならありがたい」と話しています。40年間磨いてきた料理の腕と接客の経験を、次の担い手のそばで活かしたい。そういう思いが胸の奥にあります。

後継者に求めることは、地域の産業を残したいという思いがある人。そして、地域の人々や高齢者が気軽に立ち寄れる交流の場として、意欲をもって経営に取り組める人。規模の大きなビジネスを夢見るよりも、人と人とのつながりを大切にしながら、この場所を守り続けてくれる人を求めています。

21年間、野島さんがこの店で育ててきたものは、コーヒーの味だけではありません。常連さんとの信頼関係、地域のなかの居場所としての空気、そして毎朝ここに来ることを楽しみにしている人たちの日常です。それを丸ごと受け取り、次の時代へと続けてくれる人を、野島さんは待っています。

譲渡概要

事業者名 道の駅白尾パーク内 喫茶チェリー
所在地 岐阜県郡上市白鳥町恩地7-2
譲渡する資産 ・営業権・什器備品(すべて無償譲渡)
※冷蔵庫(月額24,500円、2028年9月まで)・食洗器等(月額34,300円、2030年6月まで)のリース契約の引き継ぎが必要です。
賃料 売上歩合制(月額売上50万円まで5%、超過分10%) 共益費別途
※契約先:郡上市指定管理者「㈱しろとり」
継いでほしいひと 地域の産業を残したい思いや、地域の交流施設(特に、高齢者)として意欲的に経営してもらえる人
継業までの流れ ①応募・お問合せ
②現地面談
③交渉・契約
④事業譲渡
注意事項 ・事業者様への直接のご連絡、ご訪問は、ご迷惑となりますのでご遠慮ください。ご応募、お問い合わせはこちらからご連絡ください。
・契約に関わる費用や許認可等の申請に必要な経費はご負担ください。

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